A.A.ミルン『うさぎ王子』の豆本

yt0765432011-01-09

 2年ぶりで干支の豆本を仕立てた。
 『クマのプーさん』で知られるA.A.ミルンは、「うさぎ王子」という短編童話を書いている。うさぎの姿で長いこと苦労してきたためか、主人公のうさぎくんは、賢くて、とてもひょうきん、人間(うさぎ)が出来ている。運動神経も抜群で、子どものない王様夫妻が募集した世継ぎ選考競技会では、何でも一位に。
 みじかい童話だが、豆本には長いので、訳者には申し訳ないけれど、ざっくり抄訳にして、『メアリー・ポピンズ』の絵を描いたメアリ・シェパードの挿絵を一枚入れて仕上げた。うさぎくんの本当の素性は、ニコデマス王国で18年前に生まれたばかりで行方不明になったシルビオ王子である。
  表紙はラベンダー色にうさぎの白抜きプリントの布、本文が薄いので、布の下にスポンジを入れてふっくらとさせている。背はメタルペールグリーンのしぼ入り牛革との継ぎ表紙。王冠のパーツと半円のパールビーズで飾られている。見返しは百合の紋章がプリントされた紙。本文はエメラルドグリーン。仕上り寸法=天地74×左右68mm。
 『うさぎ王子』(渡宏道訳)は篠崎書林刊。英語のリーダーなども出している会社なので、英語版もある。『赤毛のアン』のプリンス・エドワード島のフォトカレンダーを作ったとき、版元の篠崎さんから譲っていただいた本である。親戚筋の泰文堂の英語の問題集などの表紙も、同時期にたくさんデザインしたが、こちらの社長さんも篠崎さんで、同じ神田錦町に会社があった。