2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小川町のオフィスと葬送文化研究会

小学校の校庭から見上げる空に、煙が流れる。それは近くにある堀ノ内葬斎場の煙突の煙だった。その頃からもうぼんやりと、人がいつか空に流れていくことを知ってしまった。火葬場や煙は日常の光景であり、否応なく近しい存在であった。狭すぎた小学校はその…

アンドレーエフ「金のくるみ」とマグネットの子持本 

ロシアのレオニード・アンドレーエフの「金のくるみ」は、子どもの頃も今もベストワンの童話だった。 林のなかの牝の子りすが、通りがかりの優しい天使に、天国の庭に実った金のくるみをもらう。ころころ転がして遊んだあとに、ぴかぴか光るきれいな金色だっ…

エミール・ノルデの学者と青い顔の少女

エミール・ノルデの「学者と少女」を初めて見たのは、朝日新聞の当時は珍しい色刷りであった。「ドイツ表現派展」が上野で開催されていた時の案内記事だったのかもしれない。社会というものを知らない高校生の頃、その画家の背景なども知る由もなく、少女の…