佐藤春夫の小説『西班牙犬(スペインいぬ)の家』


2018年の戌年の賀状を、今頃アップします。
佐藤春夫の小説『西班牙犬の家』は、大正6年初出。(夢見心地になることの好きな人々の為めの短篇)というサブタイトルが付いている。ジャック・カゾットの「悪魔の恋」をモチーフにしたという不思議な作品。 主人公は、愛犬フラテとの散歩の途中、雑木林のなかの一軒家で、黒いスパニッシュ犬と出会う。赤い表紙に配された犬は、イングリッシュセッターの賢いフラテ。本文糸かがり。赤の牛革+プリントの豚革の継表紙。犬のパーツに付いた鎖は、本の背側の溝に消えている。見返しは薄緑の木立の模様。88×62mm。2017年制作。