2015-02-22から1日間の記事一覧

荒巻義雄『時の葦舟』と在りて無き世、または入れ子の夢

天井も壁も床も鏡で作られた万華鏡のような部屋に入ったとき、果てしなく続く鏡像はすべてが虚像なのだろうか。もしや自分自身がすでに虚像であり、この世界そのものが、だれかの夢のあるのではないか、と思わせる物語が、荒巻義雄の『時の葦舟』である。 物…